移川子之蔵氏(1884–1947)は、日本の民族学・人類学の先駆者の一人です。明治37(1904)年に福島県の旧制中学校を卒業、アメリカへ留学し、大正6(1917)年にはハーバード大学において博士号を取得しました。帰国後は慶應義塾大学文学部講師や東京商科大学予科教授を歴任し、昭和3(1928)年より台北帝国大学教授に就任しました。在任中は、宮本延人氏や当時学生であった馬淵東一氏らと共に『臺灣高砂族系統所属の研究』を出版し、学士院賞を受賞しています。さらに移川氏は、台北帝国大学文政学部長や南方人文研究所長を務め、学会の理事や評議員など多くの要職を歴任されました。
本アーカイブには、台湾原住民研究に関する原稿や、セレベス(スラウェシ)研究に関するフィールドノートや地図等が収められています。
なお、本アーカイブ資料の目録公開にあたり、以下の背景をご説明します。
本資料はこれまで「移川子之蔵アーカイブ」として、本館に保存されてきました。2011年の資料整理の際、一部に移川氏の没後に刊行された資料などが含まれていることが判明しました。これらは、馬淵東一氏に関係する資料であると推定されています。そのため、これまでの保管状況にもとづき、本アーカイブの目録へすべての資料を掲載しましたが、目録上に「馬淵東一関係」の項目を設け、馬淵氏関係資料と推定されることを明示しています。