データカード記入の原則(隊員の申し合わせ)

隊員が申し合わせていたデータカード記入の原則は以下の原文の通りです。

  1. フィールドノートの情報をひとつのまとまり毎に切断する。したがってノートには切断のところに線があとから引かれている。収集した情報をひとまとまり毎に切断するのは、それらを整理するのに便利なだけでなく、それらを組み立て、情報の統合、構造化、創造をするのに、きわめて好都合だからである。
  2. ひとつのまとまりは個人的に主観的であるが、それは容認される。
  3. ひとまとまりのデータを、カードの二行目から記述する。短くてもひとまとまりと考えればそれでよい。
  4. カードができたら、それを読み直し、その内容を代表するような、一行以内で表現する「一行サマリー」「見出し」をカードの第一行目に記入する。一言で言えばこうなるというような要約である。それだけ読めば、データの内容を読まなくてもよいというのが理想である。「一行サマリー」は索引の役割もはたす。
  5. ひとつのまとまりがカード一枚以上にまたがるとき、複数のカードに記入し、一行サマリーを同じ表現にして、1/3、2/3、3/3のように、一行サマリー欄の右端に記入する。
  6. カードには必ず①とき、②ところ、③出所、④採集者・記録者の四つの項目を記入する。これがなければ情報の適否、正確さ、信頼性などが確かめられないし、また(これにより)情報の不足や誤りを時系列的に場所的に復元できよう。この四つはカードの下二行がそれに当てられる。
  7. 「とき」dateはその情報を獲得した年月日、観察したときである。
  8. 「ところ」placeはその情報を聞いた場所、観察した場所、感想ならそれを考えた場所、具体的には村名、キャラバン中どことどこの間などである。
  9. 「出所」sourceは情報のでどころ、面接ならその相手の名、もし名がわからなければ「村に来た巡礼者」、あだなでもよい。本からの情報ならその本の題など、数が多ければ略号をつくり、別に略号、詳しいデータを書いたカードをつくればよい。観察なら誰々の観察など。
  10. 「採集者・記録者」recorderはその情報を採った人、オリジナル・データカードをつくった人。