データカードの記載項目と利用法

・目録にはデータカードに記載されている、見出し(一行サマリー)、とき、ところ、出所、採集者・記録者、収録箱番号、サマリーカードを示すS、 備考、HRAF(Human Relations Area Files)のOCM(Outline of Cultural Materials)を載せています。データカードは採集者・記録者のアルファベット順に並び、同一採集者・記録者のなかでは時系列に並びます。採集者・記録者の略号は以下の通りです。

IS: 飯島 茂 Iijima Shigeru
KJ: 川喜田二郎 Kawakita Jiro
NK: 西岡京治 Nishioka Keiji
NO: 並河 治 Namikawa Osamu
OM: 小方全弘 Ogata Masahiro (Zenko)
SY: 曽根原悳夫 Sonehara Yasuo
TR: 高山龍三 Takayama Ryuzo

・データカードの一行目は、見出し(一行サマリー)です。見出しの先頭にSと記されたデータカードは、フィールドノートから転記された情報ではなく、いくつかのデータから得られた要約の情報でサマリーを意味します。高山龍三氏が作成したSのデータカードには年月が記されていないものがありますが、後で作成し追加されたもので、川喜田二郎氏および飯島茂氏とは共有されていません。

・OCMは川喜田二郎氏が付けたものです。本来、OCMは3桁の数字からなりますが、それでは細分化し過ぎるため、多くは末尾の0をとり2桁で書かれています。ひとつのデータカードの内容が複数の主題・項目にまたがる場合、複数のOCMがOCM〔Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅴ、Ⅵ〕の欄に付されており、目録にも全てを載せています。エクセル・ファィルの目録では、OCMを用いてソートすることで、主題・項目ごとにデータカードを並べ替えることができます。ソートしやすいように、「ソート用」においては3桁のOCMを上2桁のOCMに統一しています。情報を統合し構造化するためパンチカードを用いた同隊の目的が、目録上で達成されています。

・データカードの右下には、本データカードが複製である印としてXと記載されています。

・収集民具のデータカードは高山龍三氏が後で作成した原本であり、川喜田二郎氏および飯島茂氏とは共有されていません。見出し欄の右端に、民博の標本資料番号が付され、その昇順に配列されています。データカードの二行目にある収蔵番号は、旧文部省史料館かその前の保谷の日本民族学協会付属民族学博物館のものです。民具台帳番号とは、高山龍三氏のフィールドノートにおける整理番号です。