石毛 直道 アーカイブ

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解説文

「鉄の胃袋」「大食軒酩酊」の号をもつ国立民族学博物館の三代館長・石毛直道氏(1937- )は、日本における食文化研究の開拓者として知られている。考古学を学ぶため京都大学に入学すると同時に探検部に入部し、世界を探検するなかで文化人類学に目覚め、研究者としての基礎を築いてきた。その研究成果の多くは『石毛直道自選著作集』(全12巻、ドメス出版、2013年)に収録されている。

このアーカイブには、石毛直道氏が参加した1963年の京都大学西イリアン学術探検隊予備踏査隊、1976年の国立民族学博物館ハルマヘラ調査隊に関する資料とともに、食文化研究のうち『ロスアンジェルスの日本料理店』(ドメス出版、1985年)のための1980年の調査資料、博士論文「魚介類の発酵食品の研究」(東京農業大学、1986年)のための魚醤の調査資料、特別研究「現代日本文化における伝統と変容」のうち、共同研究「現代日本における家庭と食卓:銘々膳からチャブ台へ」に関する資料(成果は『国立民族学博物館研究報告別冊』16号(1991年)所収)などが収録されている。そのほか、国立民族学博物館の特別研究「日本語の形成」「日本民族文化の源流の比較研究」(1987年)、「文化の生産」「二〇世紀における諸民族文化の伝統と変容」(1995年)に関する資料も含まれる。
また、2022年には、石毛直道氏が京都大学に在籍していた時代の「トンガ王国学術調査隊」(1960年)に関する資料などが追加寄贈された。

なお、石毛直道氏が1970年代から撮影してきた世界80カ国以上に及ぶ写真2万点以上は、味の素食の文化センターの「石毛直道食文化アーカイブス」に所蔵されている。