「稲田浩二 日本昔話関連 アーカイブ」

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解説文

稲田浩二氏(1925-2008)は、日本の昔話の研究者です。京都女子大学や梅花女子大学などで教える傍ら、1960年代初めより昔話をはじめとする民間説話の採訪を全国各地でおこないました。

編集責任者としてかかわった『日本昔話通観』全31巻(同朋舎出版、1977-1990、以下『通観』)は、日本民族とアイヌ民族の膨大な昔話資料記録の中から学術的に検討した結果6万余話を選別して都道府県別に配列するとともに、これを基にアイヌ民族593話型、日本民族1211話型のタイプ・インデックス(話型索引)を作成したもので、日本昔話研究の基本図書となっています。

1994年、日本・韓国・中国の研究者とともにアジア民間説話学会を創設し、東アジアの昔話の比較研究にも精力的に取り組みました。

民博には既に、稲田氏が1982年に寄贈した音声資料に基づいて作成された「日本昔話資料:稲田浩二コレクション・データベース」(https://htq.minpaku.ac.jp/databases/inada/)がありますが、今回新たに、『通観』の作成にあたって収集された稲田氏自身の採訪調査を含む個人および大学等研究機関による調査報告書(手稿を含む)、全国各地の昔話集の出版物、日本および世界の書承説話や昔話研究文献(紀要や学術雑誌を含む)、伝承の昔話を再話・再創造して絵本や読み物本として出版された書籍などの文献資料が加わったことで、昔話研究の一次資料として質量ともにさらに充実したアーカイブとなりました。


文責:鵜野 祐介(立命館大学教授) ※解説文執筆時点(2022年)